漫画『三国演義』①~⑳(羅貫中原作、梁小龍画、安徽美術出版社)
日本人は三国志が大好きです。ゲームにもなっています。もちろん中国人も大好きです。ただ、その三国志はもっぱら小説『三国演義』で、正史『三国志』ではありません。当然、正史には見えない人物も登場します。その代表が貂蝉(ちょうせん)です。小説より正史の方が好きだという人も(私です)、この貂蝉には興味をそそられます。ましてここに紹介する『三国演義』は漫画です。中国四大美女の一人に数えられる貂蝉がどのように描かれているのか、気になるところです。それは……、手にとって確かめてください。
ところで、日本人の三国志観に絶大な影響を及ぼしたのは吉川英治の小説『三国志』です。横山光輝の漫画もそれに依拠しています。吉川三国志は大胆な脚色を加え、原作とは異なる趣きを出しています。一方、この漫画『三国演義』は原作に忠実です。吉川・横山三国志と読み比べてみるのも一興でしょう。