中級ドイツ語のしくみ(清野智昭著、白水社)
読書の秋、読み物として楽しめるドイツ語の文法解説書を紹介します。本書の最大の魅力は説明のわかりやすさと詳しさです。文法書にありがちな無味乾燥な日本語とはまったく違い、「です・ます調」を用いながら、「話法とは?」「主語的2格と目的語的2格」など、かなり専門的な事柄にも触れられています。どの項目も見開き2ページで完結しているので、自分がとくに苦手な部分だけ読んでも、じゅうぶん参考になるでしょう。さらに「ドイツ語の勉強のしかた」や「九州弁でアスペクトを考える」など、興味深くてためになるコラムも充実しています。本書の弟または妹分として、同じ著者の『ドイツ語のしくみ』(白水社)もあわせてお薦めしておきます。