自己の立ち位置を知る
解説
スタンダード1が述べているのは、自分が置かれている状況をできるだけ正確にとらえることによって、自分が何をすべきかを自ら進んでつかみ取る能力のことである。ここで言う状況とは、巨視的な時間のスケールで言えば、今生きている現在から、生物としてのヒトが進化した地球の時間、そして、それに先立つ宇宙の時間にまで拡がり、空間的なスケールで言えば、現在の地点から、地域コミュニティ、地方、都市、国家、国際社会、そして地球全体にまで広がっている。
このような状況の中心には、文化的、政治的、経済的なさまざまな問題が存在している。しかし、これらの問題を事実として正しく知ったとしても、そこからどのような行動を起こすべきかを導き出すには、何らかの倫理的判断が必要である。それは、人類がこれまでに培ってきた倫理的な態度や感性にもとづいている。例えば、個人的な自由や欲求を求めることと、正義や公平を社会に実現することとを両立させるには、人類社会の倫理的規範に従うことが必要である。したがってここでは、さまざまな角度から自己の立ち位置を知るとともに、倫理的な態度や感性を養うことが求められる。
スタンダード1は、学士レベルの理解度において学生が、自分の置かれている状況を正しくとらえ、将来の自分の行動を導き出すようになることを意味する。
具体的な科目構成
- 現代世界への歴史学的アプローチ
- グローバル時代の政治経済学
- グローバル時代の社会学
- ケーススタディによる応用倫理学
- 地球生物圏と人間
各科目で使用するテキスト(学内者限定)と科目の説明は以下のURLから閲覧してください。
http://ilas.w3.kanazawa-u.ac.jp/students/subject/gs-2/gs_text/#standard1